原告意見陳述

意見陳述  

                         原告 時任玲子

 

 私は、ハローワークにて、任期1年の雇用契約を8回更新、9年間働いてきた非常勤職員です。昨年3月末に任用継続を拒否され失職しました.。天職だと思ってきた好きな仕事ができた職場を失うということは、生活基盤とキャリアを一度に失う、それ以上に辛いものでした。

 この雇い止め事件は、職場で起こったセクハラ事件が背景にあります。加害者は私の直属の上司で、被害者は私の同僚である非常勤女性でした。人事権を握っていたのは、加害男性の親しい関係にあった人物でした。私が職場の責任者にこのセクハラ事件を告発したことや、被害者支援を行って以降、組織上層部からさまざまなパワハラを受けました。

 任期1年の雇用契約で、契約が更新され、雇用継続が常態化している事実があるにもかかわらず、「非常勤職員であれば上司の気分次第で簡単に切っても構わない」という感覚が根底にあります。

 私が担当してきた相談業務は経験の蓄積を要し、ネットワークの構築も重要です。また在職中は、求職者対象のセミナーや、職員対象のセミナーの講師も務め、担当業務以外にも貢献してきました。現在、私の子どもは高校2年生で、これからお金もかかるので、子どもが中学2年生の時から、仕事が終わった後の平日夜と日曜日に学校に通い、就労支援業務に必要な資格を取得して、キャリアアップをはかってきました。生活を切りつめ、一切の娯楽を断ち、まずお給料を上げるためにお金を借り、勉強したい時期の子どもの学習費を私の学費に充てて勉強しました。それでも収入は上がらず、1年後に雇い止めになり、努力に努力を重ねた結果なのに、さらに貧困に陥りました。

 職を失ったことのダメージは大きく、結局そのしわ寄せは未来を担う子どもにおよびました。子どもは腹部の難病にかかり、昨年夏1カ月入院しました。長期におよぶステロイド投薬があり、今も服薬が必要です。

 私のように、シングルマザーの中でも非婚の場合は寡婦控除が適用されません。

シングルインカムで生計を営んでいる低所得の非婚シングルマザーは、もっとも貧困にさらされています。この雇い止めは、シングルマザーを直撃する究極の不利益であり、働く権利、生きる権利を奪うものです。

 

使えるだけ使って、気に入らなければぼろ雑巾のように棄てられる、こんな扱いが国の出先機関でもまかり通っています。非常勤で働く専門職は日本には多くいます。みずからの雇用を脅かされつつ、利用者の支援を続ける実態を知っていただき、蔓延する非正規雇用の問題を正面から捉えていただきたいと思います。