傍聴記

2015年2月6日(金)午後1時10分から、大阪地方裁判所でハローワーク雇い止め裁判公判のクライマックス、証人尋問がありました。いつもの611号室は小法廷なので、駆けつけた40人の支援者はぎゅうぎゅう詰めで傍聴しました。証人として登場したのは、もちろん原告本人時任玲子さんと、もう一人は当時のハローワーク茨木所に勤務していた宮田庶務課長です。

まず、宮田庶務課長へ国側の弁護士による主尋問があり、次に原告弁護団より河村学弁護士が反対尋問をおこないました。焦点は、時任さんが応募した「就職支援ナビゲーター(若年者支援分)」がそもそも公募による必要があったのかどうかと、時任さんがこれまで、担当制の相談業務を経験してきたかどうかということ。国側の主張は「公募したのは職種の統廃合により新規の職種であった」ことと「原告が従事していたのは職業紹介にすぎなかった」ということですが、こちらは、「そもそも公募が必要ではなかったこと」と「職業相談と職業紹介の席区分は流動的であったこと」を主に立証するための反対尋問をして、細かな点で口ごもる庶務課長を相手に、こちらの主張を展開できたように思います。

庶務課長への尋問が長引き、休憩を挟んで午後310分から、ついに時任さんの主尋問が始まりました。担当は有村とく子弁護士です。20024月にハローワーク茨木所に採用されて以来、2010年まで何の問題もなく順調に更新されてきたこと。その間実績を評価され、利用者対象のセミナーだけでなく、職員対象セミナーまで任され、受講者から好評を得ていたことを立証しつつ、20097月に茨木所でおこったセクハラ事件の相談を受けたあと、働きづらい職場環境になっていったことが示されました。上司に勧められキャリアコンサルタント等の資格を取得したにも関わらず、最後の面接は、あらかじめ子どもの高校合格発表と説明会のために休暇を申請していた日を指定され、その日は都合が悪いと言うと5日後の3月29日に再指定され、面接終了15分後に不採用を言い渡されたくだりは、時任さんにとっても心の傷をえぐられるような苦しいやり取りだったろうけど、冷静に丁寧に受け答えしていました。最後に「裁判所に最もわかってほしいことは何ですか」との問いに「資格を取るための費用と、子どもの高校入学が重なる一番苦しい時に職を失いました。簡単に使い捨てにされる非常勤の立場を想像してください」と訴えました。

続いて国側弁護士による反対尋問。「パワハラがあったのに採用されると思っていたのか」「個別担当業務をしていたのか」等、そのような人柄なのか作戦なのかわからないが、半ば感情的にたたみかけてきました。それに対しても時任さんは「私は指示された業務をこなしただけです」「これまでからフリーター等若者の相談業務をしてきましたし、むしろそれをしてきたのは私一人だったので自信はありました」と落ち着いて答えました。

それにしても人々に安心の職場環境を提供するはずのハローワーク(公共職業安定所)で、セクハラが発覚したことさえ驚きなのに、それをきっかけとしたパワハラまでをも国が認めたようなものです。格差社会の是正が声高に言われる昨今、安易な雇い止めで生存権が侵害されたことに、損害が認められないなどということは、絶対にあってはならないとつくづく思いました。勝利の時まで、共にたたかいましょう!!

                                              (傍聴人 栄井 香代子)